親が亡くなった後は、葬儀や各種連絡だけでなく、相続に関する確認や手続きも始まります。
「何から手をつければいいのか分からない」「相続放棄はいつまで?」「実家の片付けは先にしていい?」と迷う方も少なくありません。
相続では、すべてを同時に進める必要はありません。
まずは期限のある手続きを確認し、相続人と財産・負債を把握したうえで、不動産や実家の整理を進めると全体を整理しやすくなります。
この記事では、親が亡くなった後に必要になる主な手続きを、時系列に沿って分かりやすく整理します。
相続の全体像

親が亡くなった後の相続は、大きく次の流れで考えると分かりやすくなります。
- 親が亡くなった直後の確認
- 遺言書の有無を確認
- 相続人を確認
- 財産・負債を調査
- 相続放棄などを判断
- 相続税や準確定申告を確認
- 不動産があれば相続登記
- 実家や遺品を整理
ただし、すべてがこの順番でしか進められないわけではありません。
特に重要なのは、「期限がある手続き」と「急いで処分する必要がないもの」を分けることです。
相続・実家整理の全体像を確認したい方は、相続・実家整理の総合ガイドもあわせてご覧ください。
親が亡くなった直後にすること
遺言書の有無を確認する
まず確認したいのが遺言書です。
自宅に保管されている場合だけでなく、公正証書遺言などが作成されている可能性もあります。
遺言書の内容によって、その後の相続手続きが変わる場合があるため、見つかった場合は勝手に処分せず、適切な手続きを確認します。
相続人を確認する
次に、誰が相続人になるのかを確認します。
戸籍をたどって相続人を確定する必要があるため、家族だけの記憶で判断しないことが大切です。
相続人が確定していない段階で、実家の財産や家財を処分すると、後から問題になる可能性があります。
財産と負債を確認する
相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金や未払い金などの負債も確認します。
特に借金がある場合は、相続放棄や限定承認を検討する可能性があるため、早めに調査を始めましょう。
3か月・4か月・10か月の期限
相続では、期限のある手続きがあります。
3か月以内|相続放棄・限定承認
相続放棄や限定承認は、原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に判断します。
財産や負債の調査が終わらない場合などには、家庭裁判所へ期間伸長を申し立てる制度もあります。
借金などが見つかって相続するか迷っている場合は、相続放棄・限定承認の期限と手続きを早めに確認してください。
4か月以内|準確定申告
亡くなった方に所得があり、準確定申告が必要になる場合は、原則として4か月以内に手続きを行います。
すべての人に必要なわけではないため、故人の収入状況を確認しましょう。
10か月以内|相続税の申告・納税
相続税がかかる場合、原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税します。
相続税には基礎控除があり、現在の基本的な計算式は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
ただし、実際の課税対象額は財産の評価や債務、各種特例などによって変わります。
「相続税がかからなそうだから何もしなくていい」と自己判断せず、必要性を確認しましょう。
不動産を相続する場合
実家や土地などの不動産を相続する場合は、相続登記について確認します。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
相続登記を放置すると、次の相続が発生した際に権利関係が複雑になる可能性もあります。
必要書類や具体的な申請方法については、相続登記のやり方・期限・必要書類で詳しく確認できます。
相続後の実家整理
相続手続きと並行して、実家の整理が必要になることもあります。
ただし、最初から家具や家電をすべて処分する必要はありません。
まず重要書類と貴重品を確認する
通帳、印鑑、保険関係書類、不動産関係書類、契約書、遺言書などを確認します。
次に残すものを決める
写真やアルバム、手紙、思い出の品などは、家族で確認してから処分します。
実家の今後を考える
実家を住居として使うのか、売却するのか、貸すのか、解体するのかによって、片付け方も変わります。
そのため、家財を処分する前に「この家をどうするのか」を考えることが大切です。
遺品整理にかかる費用まで具体的に知りたい方は、遺品整理の費用相場も参考にしてください。
実家整理をどのような手順で進めればよいか詳しく知りたい方は、実家整理の進め方も参考にしてください。
よくある質問
相続税がかからなければ相続手続きは不要ですか?
いいえ。
相続税の申告・納税が必要ない場合でも、相続登記など別の手続きが不要になるわけではありません。
相続放棄を考えている場合、実家を片付けてもいいですか?
相続財産の処分が相続判断に影響する可能性があるため、自己判断で財産を処分するのは避け、家庭裁判所や専門家へ確認することをおすすめします。
相続登記はすぐにしないといけませんか?
原則として、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります。
ただし、早めに相続人や不動産の状況を整理しておくことで、後の手続きを進めやすくなります。
まとめ
親が亡くなった後の相続では、すべてを一度に終わらせようとする必要はありません。
まず、
- 相続人を確認する
- 財産と負債を確認する
- 期限のある手続きを確認する
- 不動産があれば相続登記を確認する
- その後、実家や遺品を整理する
という順番で整理すると進めやすくなります。
特に相続放棄、準確定申告、相続税、相続登記には期限があるため、該当する可能性がある場合は早めに確認しましょう。
個別の相続・税務・登記については、税理士、司法書士、弁護士など必要な専門家へ相談することも検討してください。
この記事について
執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年9月

