親が亡くなったとき、遺族が早い段階で行う手続きの一つが「死亡届」の提出です。
死亡届は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。
ただし、「死亡した日から7日以内」と単純に覚えていると、起算日の考え方を間違える可能性があります。また、死亡届はどこにでも提出できるわけではなく、法律で定められた提出先があります。
本記事では、死亡届について、
- いつまでに提出するのか
- どこに提出するのか
- 誰が提出できるのか
- 何を用意すればよいのか
- 死亡診断書・死体検案書とは何か
- 記入するときの注意点
- 夜間・休日に提出できるのか
- 死亡届を提出した後に何をするのか
を、遺族が確認しやすい順番で整理します。
死亡届の提出先や受付時間は自治体によって案内が異なる場合があるため、提出前に届出先の市区町村へ確認しておくと安心です。
死亡届はいつまで?原則7日以内

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。
法務省によると、国内で死亡した場合の提出期限は「死亡の事実を知った日から7日以内」です。国外で死亡した場合は、原則としてその事実を知った日から3か月以内とされています。
「死亡した日」だけを基準にしない
死亡届の期限については、「亡くなってから7日以内」と説明されることもあります。
しかし、法律上の基準は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内です。
そのため、実際のケースでは「いつ死亡したか」だけでなく、「いつ死亡の事実を知ったか」を確認することが大切です。
7日以内に提出できるよう早めに準備する
死亡届には、死亡診断書または死体検案書を添付します。
そのため、死亡が確認されたら、
- 死亡診断書・死体検案書を受け取る
- 死亡届の必要事項を確認する
- 届出人を確認する
- 提出先の市区町村を確認する
- 期限内に提出する
という流れで進めます。
死亡届そのものには手数料はかかりません。
7日目が閉庁日の場合は翌開庁日まで受け付ける自治体が多いものの、自治体によって扱いが異なるため、余裕をもって提出しましょう
死亡届はどこに提出する?提出先は3つ
死亡届は、次のいずれかの市区町村役場に提出できます。
| 提出先 | 内容 |
|---|---|
| 死亡者の死亡地 | 亡くなった場所を管轄する市区町村 |
| 死亡者の本籍地 | 戸籍上の本籍地を管轄する市区町村 |
| 届出人の所在地 | 届出人の所在地を管轄する市区町村 |
法務省は、死亡届の届出地について「死亡者の本籍地、届出人の所在地又は死亡地」としています。
届出人の「所在地」は住所地だけとは限らない
法務省は、届出人の所在地について、住所登録地に限らず一時的な滞在地も含まれると説明しています。
そのため、法律上認められている届出地であれば、死亡者の本籍地や死亡地とは異なる市区町村で提出できる場合があります。
ただし、実際に提出する窓口や必要な確認事項については自治体ごとの案内もあるため、迷った場合は提出予定の市区町村へ事前に確認しましょう。
死亡届を提出できるのは誰?
死亡届には法律上の届出義務者が定められています。
法務省によると、対象となるのは次のような人です。
- 親族
- 同居者
- 家主
- 地主
- 家屋管理人
- 土地管理人
- 後見人
- 保佐人
- 補助人
- 任意後見人
- 任意後見受任者
また、厚生労働省の制度説明では、同居の親族以外の親族なども届出をすることができるとされています。
「家族の中で誰が提出するのか」で迷った場合は、届出人の要件を確認したうえで、市区町村の戸籍担当窓口に相談してください。
届出人と、窓口へ持参する人は同じ?
届書には届出人本人の署名が必要ですが、署名済みの届書を窓口へ持参する人は、届出人でなくてもよいとする自治体が多くあります。実際に、葬儀社のスタッフが持参する例もよくあります。
ただし、後見人などが届出人になる場合は登記事項証明書などが必要になるなど、自治体によって確認事項が異なります。提出前に、提出先の市区町村の案内を確認してください。
死亡届に必要な書類
死亡届を提出するときに、基本的に必要となるのは次の書類です。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 死亡届 | 必要事項を記入した届書 |
| 死亡診断書または死体検案書 | 医師等が交付する書類 |
| 届出人の署名 | 届出人が記入 |
法務省は、死亡届の添付書類として死亡診断書または死体検案書1通を案内しています。
死亡届と死亡診断書は一体になっていることがある
死亡届の用紙は、死亡診断書または死体検案書と一体になっている形式があります。
そのため、医療機関などから受け取った書類を確認し、死亡診断書等の部分を切り離したり紛失したりしないよう注意してください。
死亡診断書と死体検案書の違い
死亡届に添付する書類には、
- 死亡診断書
- 死体検案書
があります。
厚生労働省によると、どちらも人の死亡を医学的・法律的に証明するための文書です。
死亡診断書
生前に診療していた医師が、診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合などに交付されます。
死体検案書
生前に医師の診療を受けていなかった場合や、生前に診療を受けていた傷病とは異なる原因で死亡した場合、死亡した状態で発見され死因が不明な場合などに交付されます。
遺族が自分でどちらを選ぶものではなく、死亡状況を確認した医師が必要な書類を交付します。
死亡届を書くときの注意点
死亡届には、死亡者についてさまざまな事項を記載します。
たとえば、
- 氏名
- 生年月日
- 死亡した日時
- 死亡した場所
- 本籍
- 住所
- 世帯主
- 職業
- 届出人の情報
などです。
記載内容について分からない項目がある場合は、推測で記入せず、戸籍や住民票などの資料を確認するか、市区町村の窓口に相談してください。
戸籍上の氏名や本籍を確認する
死亡届は戸籍に関係する重要な届出です。
死亡者の氏名や本籍などは、戸籍上の情報を確認して記入しましょう。
死亡診断書・死体検案書の内容を確認する
死亡日時や死亡場所など、死亡診断書・死体検案書と関連する項目については、書類の内容を確認して記入します。
記載内容に疑問がある場合は、自己判断で修正せず、医療機関や提出先の市区町村に確認してください。
消せるボールペンなどは避ける
死亡届は戸籍に関わる公的な届書です。多くの市区町村が、鉛筆や消せるボールペンなど、消えやすい筆記具は使わないよう案内しています。黒インクのペンやボールペンではっきり記入しましょう。
書き間違えたときは、修正液や修正テープは使わず、間違えた箇所に線を引いて正しい内容を書き直します。押印は任意とする自治体が多いですが、スタンプ印は使えないとしている自治体もあります。
また、死亡診断書(死体検案書)は提出後に返却されないため、写しが必要な場合は提出前にコピーを取っておきましょう。連絡先の欄には、日中に連絡がつく電話番号を書いておくと安心です。
書き方について自治体から指定がある場合は、その案内に従ってください。法務省が案内する記載例・様式も確認しておくと安心です。
死亡届の提出前に確認したい5つのこと
提出直前に慌てないために、次の項目を確認しておきましょう。
① 死亡診断書または死体検案書を受け取ったか
死亡届には、原則として死亡診断書または死体検案書を添付します。
② 死亡届の記入内容に間違いがないか
氏名、生年月日、死亡日時、死亡場所、本籍などを確認します。
③ 誰が届出人になるか決めたか
親族など、法律上の届出人となる人を確認します。
④ どの市区町村へ提出するか確認したか
死亡地、本籍地、届出人の所在地など、法律上認められた届出地を確認します。
⑤ 7日以内に提出できるか確認したか
「死亡した日」だけでなく、原則として「死亡の事実を知った日」を基準に期限を確認します。
死亡届は夜間・休日でも提出できる?
死亡届の受付方法は、提出先の市区町村によって異なります。
多くの自治体では、開庁時間外は宿直室などの夜間・休日窓口で届書を預かり、翌開庁日に内容を確認して受理する運用をとっています。不備があった場合は連絡が入るため、日中に連絡がつく電話番号を届書に記入しておきましょう。
火葬許可証の交付時期は自治体によって異なります。 死亡届の提出と同時に作成する自治体がある一方、夜間・休日に受け付けた場合は翌日以降の交付になる自治体もあります。また、夜間は受け付けていない自治体もあります。
葬儀・火葬の日程に関わるため、時間外に提出する場合は、提出先の市区町村へ受付時間と火葬許可証の交付方法を先に確認してください。
死亡届を提出したら、その後は何をする?
死亡届を提出した後は、死亡届だけで手続きが終わるわけではありません。
親が亡くなった後には、年金、健康保険、介護保険、相続などについて、それぞれ必要な手続きを確認していくことになります。
まずは期限のある手続きから整理すると、全体を把握しやすくなります。
年金の手続きを確認する
親が年金を受給していた場合は、死亡に伴う年金関係の手続きを確認します。
詳しくは次の記事で整理しています。
年金受給者が亡くなったら必要な手続き|未支給年金・死亡届・遺族年金を解説親が亡くなった後、年金はどうなる?受給権者死亡届、未支給年金、遺族年金の違いと手続き、必要書類、確認先を整理。亡くなった後に年金の振込があった場合の注意点も解説します。
介護保険の手続きを確認する
介護保険を利用していた場合は、資格喪失などの手続きを確認します。
介護保険の資格喪失手続きと高額介護サービス費|親が亡くなった後の手続き親が亡くなった後の介護保険手続きを解説。資格喪失届はいつまでに出す?必要書類や提出先、高額介護サービス費の対象・申請期限、介護保険料の精算まで整理します。
健康保険の手続きを確認する
健康保険についても、資格喪失や葬祭費など、該当する手続きを確認します。
健康保険の資格喪失・葬祭費の手続き|親が亡くなった後に確認すること親が亡くなった後の健康保険手続きを解説。資格喪失や資格確認書の返却、国民健康保険・後期高齢者医療の葬祭費、会社員の埋葬料・埋葬費、申請期限まで整理します。
相続手続きも少しずつ整理する
死亡届を提出した後は、相続に関する手続きも始まります。
ただし、相続放棄などには期限があります。
「親が亡くなった後、何をいつまでにするのか」をまとめて確認したい場合は、次の記事を利用してください。
親を亡くした直後にやるべき手続き一覧|14日・3か月・10か月の期限で解説親を亡くした直後にやるべき手続きを、7日・14日・3か月・10か月の期限別に整理。相続放棄や相続税申告など見落としやすい期限も、実体験を交えてわかりやすく解説します。
死亡届を提出した後、すぐに実家を片付ける必要はある?
死亡届を提出したからといって、すぐに実家の荷物をすべて処分する必要があるわけではありません。
相続財産や重要書類、契約関係の資料などが家の中に残っている可能性があります。
特に、
- 通帳
- 印鑑
- 保険関係の書類
- 不動産関係の書類
- 遺言書
- 借入に関する書類
- 証券・金融商品の資料
- 契約書
などは、処分前に確認しておくことが大切です。
実家の片付けについては、死亡後の手続きや相続との順番も含めて、次の記事で整理しています。
死亡後の実家はいつ片付ける?相続・遺品整理との順番を解説親が亡くなった後の実家はいつ片付ける?相続人・遺言書・財産の確認から、遺品整理、実家売却、相続登記まで、片付ける順番と注意点を整理します。
死亡届についてよくある質問
死亡届は死亡した日から7日以内ですか?
法律上は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内です。
「亡くなった日」だけを基準にせず、死亡の事実を知った日を確認しましょう。
死亡届はどこの役所に出せばいいですか?
原則として、死亡者の死亡地、本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場に提出できます。
死亡届には何を添付しますか?
原則として、死亡診断書または死体検案書を添付します。死亡届の用紙と一体になっている形式もあります。
死亡届は家族なら誰でも出せますか?
親族など、法律で定められた届出義務者・届出可能者が提出します。
具体的なケースで誰が届出人になれるか分からない場合は、市区町村の戸籍担当窓口へ確認してください。
死亡診断書と死体検案書はどちらを用意すればいいですか?
遺族が選ぶものではなく、死亡状況などに応じて医師が交付します。
どちらも死亡を医学的・法律的に証明する文書です。
死亡届を出せば、年金や健康保険の手続きも自動的に全部終わりますか?
死亡届の提出だけですべての手続きが完了するとは限りません。
年金、健康保険、介護保険、税金、相続などについて、それぞれ必要な手続きを確認してください。
この記事について
執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年9月
本記事は、死亡届に関する公的機関の公開情報をもとに、親が亡くなった際に遺族が確認しやすいよう手続きの基本事項を整理したものです。
個別の事情によって必要な手続きや提出方法が異なる場合があります。判断に迷う場合は、提出先の市区町村や関係機関へ確認してください。
参照元
- 法務省「死亡届」
- 法務省「死亡届の届出地について」
- 厚生労働省「死亡診断書(死体検案書)について」
- 厚生労働省「死亡届出等の方法に関する決定」
- 静岡市「死亡届」
- 高砂市「死亡届」
- 座間市「死亡届」
- 中央区「死亡届」
- 長野市「死亡届」






