親が亡くなった後の高額療養費はもらえるの?|払い戻し・申請方法・相続人

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親が亡くなるまでに入院や治療をしていて、医療費を多く支払っていた場合、

「高額療養費の払い戻しは残っていない?」

「親が亡くなった後でも申請できる?」

「家族が代わりに受け取れる?」

と気になることがあります。

高額療養費は、健康保険の対象となる医療費について、1か月の自己負担額が定められた限度額を超えた場合、その超えた部分が支給される制度です。年齢や所得などによって自己負担限度額が異なります。

そして、高額療養費の支給対象となる人が亡くなった場合でも、相続人が請求できるケースがあります。

この記事では、親が亡くなった後に確認したい高額療養費について、

  • どんな医療費が対象になるのか
  • 亡くなった後でも請求できるのか
  • 誰が請求するのか
  • 何を準備するのか
  • いつまで請求できるのか

を整理します。


親が亡くなった後でも高額療養費は請求できる?

高額療養費とは

高額療養費とは、医療機関や薬局の窓口で支払った健康保険の自己負担額が、1か月の自己負担限度額を超えた場合に、超えた金額が支給される制度です。

自己負担限度額は、年齢や所得などによって異なります。

そのため、

「医療費をたくさん払った=必ず高額療養費がもらえる」

というわけではありません。

加入している健康保険と、その人の年齢・所得などを確認する必要があります。


亡くなる前の医療費が対象になる

親が亡くなった場合でも、亡くなる前に受けた診療について高額療養費の支給対象となっている可能性があります。

たとえば、長期入院やがん治療などで自己負担額が高くなっていた場合は、亡くなった後に高額療養費の対象になっていないか確認しておきましょう。

高額療養費の請求権は原則として2年で時効となります。厚生労働省も、診療を受けた月の翌月初日から2年間と案内しています。


死亡後でも相続人が請求できる場合がある

高額療養費の支給対象者が亡くなった場合、本人の口座へ振り込めないため、相続人が申請して受け取る手続きが用意されています。

たとえば、後期高齢者医療では、自治体が相続人代表者による申請を案内しています。

国民健康保険でも、被保険者本人が亡くなった場合に相続人が申請できると案内している自治体があります。

ただし、申請方法や必要書類は加入していた健康保険によって異なります。


高額療養費はいくら戻ってくる?

自己負担限度額を超えた分が対象

高額療養費では、1か月の医療費について自己負担限度額が設定され、その限度額を超えた自己負担分が支給対象になります。

ただし、対象になるのは原則として健康保険が適用される医療費です。

入院中の食事代や差額ベッド代など、健康保険の対象外となる費用は、高額療養費の計算に含まれない場合があります。


年齢や所得などで限度額が変わる

自己負担限度額は一律ではありません。

年齢や所得区分などによって異なるため、

「○万円を超えたら必ず払い戻される」

と単純には判断できません。

特に現在は制度改正が行われているため、古い記事や以前の自己負担限度額だけを見て判断しないようにしましょう。


2026年8月から制度が見直されている

高額療養費制度は、2026年8月診療分から見直しが行われています。

厚生労働省によると、2026年8月からは新たに年間上限が設けられています。

また、長期療養者への配慮として、多数回該当の仕組みについても案内されています。

そのため、この記事では固定的な自己負担限度額を大量に掲載するのではなく、「親が亡くなった後に高額療養費を確認・請求する」という手続き情報を中心にします。

具体的な限度額は、厚生労働省や加入していた健康保険の最新情報を確認してください。


親が亡くなった場合の申請方法

まず確認したいのは、親がどの健康保険に加入していたかです。

主に、

  • 国民健康保険
  • 後期高齢者医療制度
  • 健康保険組合
  • 協会けんぽなど

があります。


国民健康保険の場合

国民健康保険に加入していた場合は、住民登録していた市区町村の国民健康保険担当窓口などに確認します。

自治体によっては、支給対象者が亡くなっている場合、相続人代表者が申請するよう案内しています。

たとえば立川市では、支給を受けるべき人が亡くなり、新世帯主がいない場合、相続人代表者による申請を案内しています。


後期高齢者医療の場合

75歳以上の人などが加入する後期高齢者医療制度では、加入していた都道府県の後期高齢者医療広域連合と、市区町村の担当窓口が手続きを担当します。

高額療養費が発生した場合、診療月から数か月後に申請書が送られる自治体もあります。

たとえば東京都の後期高齢者医療では、対象者が亡くなっている場合、相続人による別途申請が必要と案内されています。


会社の健康保険の場合

親が会社員などで健康保険組合や協会けんぽに加入していた場合は、加入していた保険者へ確認します。

健康保険法では、保険給付を受ける権利について原則2年の時効が定められています。

勤務先の担当部署に問い合わせるだけでなく、健康保険証や資格確認書などから加入していた保険者を確認しておくとスムーズです。


相続人が請求するときの必要書類

必要書類は、加入していた健康保険や自治体によって異なります。

一般的には、

  • 高額療養費支給申請書
  • 相続人であることを確認できる戸籍など
  • 相続人代表者の本人確認書類
  • 振込先口座が分かるもの
  • 申立書など

が必要になる場合があります。

たとえば東京都北区では、後期高齢者医療の高額療養費について、死亡した被保険者の相続人が請求する場合、申立書と続柄を確認できる戸籍謄本などを案内しています。


申請書

加入していた健康保険の高額療養費支給申請書を使用します。

自治体によっては対象となった人へ申請書を郵送しています。


相続人であることを確認する書類

相続人が請求する場合、亡くなった人との続柄を確認するため、

  • 戸籍謄本
  • 法定相続情報
  • 遺言書・公正証書など

の提出を求められることがあります。

ただし、同一世帯であることなどを理由に、自治体によっては一部書類を省略できる場合があります。


振込先が分かるもの

相続人が受け取る場合は、相続人代表者の口座情報を確認できるものが必要になる場合があります。

たとえば通帳やキャッシュカードなどです。


自治体によって追加書類が必要になる場合

ここは注意してください。

「高額療養費なら全国どこでも同じ書類」ではありません。

自治体や保険者によって、

  • 申立書
  • 戸籍
  • 法定相続情報
  • 遺言書
  • 本人確認書類
  • 印鑑

など、求められる書類が異なる場合があります。

そのため、実際に申請する前に保険者へ確認するのが確実です。


高額療養費の申請期限は?

原則2年

高額療養費の支給を受ける権利には、原則として2年間の消滅時効があります。

厚生労働省は、診療を受けた月の翌月1日から2年と案内しています。

たとえば、9月に診療を受けた場合は、原則として10月1日から時効期間を数えます。

ただし、実際の起算日は医療費の支払時期などによって異なる場合があります。


早めに申請する

「2年あるから後でいい」と考えるのではなく、親が亡くなった後の手続きと一緒に確認することをおすすめします。

特に、

  • 入院期間が長かった
  • がんなどの治療を続けていた
  • 医療費を何度も支払っていた
  • 高額な治療費を払った記憶がある

という場合は、領収書や医療費のお知らせなどを確認しておきましょう。


親が亡くなった後の高額療養費チェックリスト

チェック確認すること
□親が加入していた健康保険を確認
□亡くなる前の医療費を確認
□高額療養費の対象になっていないか確認
□保険者から申請書が届いていないか確認
□高額療養費の申請状況を確認
□親がすでに亡くなっていることを保険者へ伝える
□相続人による申請が必要か確認
□戸籍など必要書類を確認
□相続人代表者の振込口座を準備
□2年の時効を確認
□高額介護合算療養費の対象も別途確認

よくある質問

親が亡くなったら高額療養費はもらえませんか?

いいえ。

亡くなる前の診療について高額療養費の支給対象となっており、まだ支給されていない場合は、相続人が請求できるケースがあります。

国民健康保険や後期高齢者医療でも、相続人による申請について自治体が案内しています。

高額療養費は何年まで請求できますか?

原則として2年です。

厚生労働省は、診療を受けた月の翌月1日から2年間を請求できる期間として案内しています。

親が亡くなった後、誰が高額療養費を受け取りますか?

加入していた健康保険のルールに従って、相続人代表者などが請求する形になります。

具体的な申請者や必要書類は保険者によって異なります。

後期高齢者医療でも高額療養費はありますか?

はい。

後期高齢者医療制度にも高額療養費があります。

対象となる場合、診療月から数か月後に申請案内が送られる自治体があります。

高額療養費と高額介護合算療養費は同じですか?

違います。

高額療養費は、医療費の自己負担についての制度です。

一方、高額介護合算療養費は、医療保険と介護保険の自己負担額を合算して、一定の上限を超えた場合に支給される制度です。

親が介護サービスも利用していた場合は、別途確認してください。

2026年8月から高額療養費は変わりましたか?

はい。

2026年8月から制度が見直され、年間上限が新設されるなどの変更があります。厚生労働省が最新の制度内容を公開しています。

自己負担限度額を確認するときは、診療を受けた時期に対応する最新情報を確認してください。

高額療養費の払い戻しは、相続税の対象になりますか?

亡くなった方が被保険者本人だった場合、払い戻しを受ける権利は亡くなった方のものと考えられるため、相続財産として相続税の課税対象になる場合があります。亡くなった後に振り込まれた場合でも、請求する権利は亡くなる前に生じていたと考えられています。

一方、亡くなった方が家族の健康保険の被扶養者だった場合は、払い戻しは被保険者に支払われるため、亡くなった方の相続財産にはならないと説明されることが一般的です。どちらに当たるかは、加入していた保険者に確認してください。

相続放棄を考えている場合は、払い戻しを受け取る前に、こちらも確認してください。

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払い戻しを受け取ると、相続を認めたものとみなされ、放棄ができなくなる場合があります。相続税の申告が必要かどうかも含め、判断に迷うときは税務署や税理士に相談しましょう。


まとめ

親が亡くなった後は、死亡届や健康保険の資格喪失だけでなく、亡くなる前に支払った医療費について高額療養費が残っていないかも確認しておきましょう。

確認する順番は、

  1. 親が加入していた健康保険を確認する
  2. 亡くなる前の医療費を確認する
  3. 高額療養費の対象になっていないか確認する
  4. すでに申請済みか確認する
  5. 未申請なら相続人による申請方法を確認する
  6. 必要書類を準備する
  7. 2年の時効を確認する

です。

高額療養費は、親が亡くなった後でも相続人が請求できるケースがあります。

また、2026年8月から制度が見直されているため、自己負担限度額については古い情報ではなく、厚生労働省や加入していた保険者の最新情報を確認してください。


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この記事について

執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年9月

参照元

  • 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
  • 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」制度見直し資料
  • 各自治体・後期高齢者医療広域連合の高額療養費案内