健康保険の資格喪失・葬祭費の手続き|親が亡くなった後に確認すること

終活
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親が亡くなった後は、加入していた健康保険についても手続きが必要です。

会社員などが加入していた健康保険では、死亡によって資格を喪失し、資格確認書などの返却や、埋葬料・埋葬費の申請が必要になる場合があります。

一方、国民健康保険や後期高齢者医療制度では、資格喪失の届出や葬祭費の制度がありますが、申請先や給付額などは自治体・加入先によって異なります。

この記事では、親が亡くなった後に確認したい健康保険の手続きを、

  • 健康保険の資格喪失
  • 資格確認書などの返却
  • 国民健康保険の手続き
  • 後期高齢者医療の手続き
  • 埋葬料・埋葬費・葬祭費
  • 申請期限

の順に整理します。

なお、年金の手続きや介護保険の資格喪失手続きは別の記事で詳しく解説しています。


  1. 親が亡くなった後、健康保険について確認すること
  2. 会社員などが加入していた健康保険の手続き
    1. 健康保険の資格は死亡によって喪失する
    2. 資格確認書などを確認する
  3. 国民健康保険に加入していた場合
    1. 国民健康保険の資格確認書などを返却する
    2. 国民健康保険料の精算も確認する
  4. 後期高齢者医療制度に加入していた場合高額療養費は別に確認する
    1. 資格確認書などの返却を確認する
  5. 親が亡くなったら「葬祭費」や「埋葬料」を確認する
  6. 協会けんぽの「埋葬料・埋葬費」とは
    1. 埋葬料
    2. 埋葬費
    3. 資格喪失後に亡くなった場合
  7. 埋葬料・埋葬費は自動的に支給されるわけではない
  8. 埋葬料・埋葬費には申請期限がある
  9. 国民健康保険の「葬祭費」も確認する
    1. 葬祭費は申請が必要
  10. 後期高齢者医療の「葬祭費」も確認する
  11. 健康保険の手続きで準備しておきたいもの
    1. 基本的に確認したいもの
  12. 健康保険の手続きチェックリスト
    1. 高額療養費は別に確認する
  13. 年金や介護保険の手続きも別に確認する
  14. 親が亡くなった後は、健康保険だけでなく全体を整理する
  15. よくある質問
    1. 親が亡くなったら健康保険はいつまで使えますか?
    2. 親が国民健康保険に加入していた場合、葬祭費はいくらですか?
    3. 会社員だった親が亡くなった場合、葬祭費はもらえますか?
    4. 埋葬料・葬祭費は自動的にもらえますか?
    5. 埋葬料の申請期限はありますか?
  16. この記事について
  17. 参照元

親が亡くなった後、健康保険について確認すること

まず確認したいのは、亡くなった親がどの健康保険に加入していたかです。

健康保険は、大きく次のように分けて考えると整理しやすくなります。

加入していた制度主な確認事項
会社員などの健康保険資格喪失、資格確認書等の返却、埋葬料・埋葬費
国民健康保険資格喪失、資格確認書等の返却、葬祭費
後期高齢者医療制度資格喪失、資格確認書等の返却、葬祭費
その他の健康保険加入していた保険者へ確認

特に親が高齢の場合は、国民健康保険ではなく後期高齢者医療制度に加入しているケースもあります。

そのため、「健康保険の手続き」とひとまとめにせず、まず加入先を確認しましょう。


会社員などが加入していた健康保険の手続き

健康保険の資格は死亡によって喪失する

会社員などが加入していた健康保険では、死亡によって被保険者資格を喪失します。

死亡による資格喪失日は、原則として死亡日の翌日です。

日本年金機構も、健康保険・厚生年金保険について、死亡による資格喪失日は「死亡日の翌日」としています。

遺族が自分で勤務先に資格喪失届を提出するというより、勤務先の事業主が必要な手続きを行うケースが一般的です。

そのため、親が会社員だった場合は、勤務先の担当部署などに死亡したことを伝え、健康保険の手続きについて確認しましょう。

資格確認書などを確認する

2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行は終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行しています。

資格確認書などが交付されていた場合は、返却が必要になることがあります。

協会けんぽでは、被保険者が死亡した場合、埋葬料などの申請時に資格確認書を返納する扱いが案内されています。

手元にある場合は、勝手に処分せず、勤務先や加入していた健康保険者に返却方法を確認してください。


国民健康保険に加入していた場合

親が国民健康保険に加入していた場合は、原則として世帯主が市区町村へ資格喪失の届出を行います。

国民健康保険法施行規則では、資格を喪失した場合の届出について、原則14日以内とされています。

ただし、死亡による資格喪失については、自治体が死亡の事実を公簿などで確認できる場合に、届出を省略できる規定もあります。

自治体によって案内や必要書類が異なる場合があるため、亡くなった親が住んでいた市区町村の窓口で確認しましょう。

国民健康保険の資格確認書などを返却する

国民健康保険で資格確認書などが交付されていた場合は、返却が必要になることがあります。

返却方法や必要書類は自治体によって異なるため、死亡の届出とあわせて確認すると効率的です。

国民健康保険料の精算も確認する

死亡によって資格を喪失した後、国民健康保険料について精算が必要になる場合があります。

納め過ぎがあれば還付となる場合がある一方、未納分があれば精算が必要になることもあります。

相続手続きと関係する場合もあるため、死亡後の保険料について市区町村に確認しておきましょう。

同じ世帯に国民健康保険に加入している家族がいる場合、親が亡くなっても、家族の資格が自動的になくなるわけではありません。亡くなった親が世帯主だった場合は、世帯主変更の手続きも確認してください。

世帯主変更届は必要?親が亡くなった後の手続きと期限
親が亡くなり世帯主が変わったとき、世帯主変更届が必要になるケースと不要なケースを解説。14日以内という期限、提出先、届出人、必要書類、新しい世帯主の決め方までわかりやすく整理します。

後期高齢者医療制度に加入していた場合高額療養費は別に確認する

75歳以上の親などは、後期高齢者医療制度に加入していることがあります。

後期高齢者医療制度では、死亡によって被保険者資格を喪失します。

資格喪失に関する届出については、制度上14日以内の届出が定められています。

実際の手続きは、加入していた都道府県の後期高齢者医療広域連合や市区町村の窓口で確認してください。

資格確認書などの返却を確認する

後期高齢者医療制度で資格確認書などが交付されていた場合は、返却が必要になることがあります。

死亡後に使用するものではないため、手元に残っている場合は処分せず、返却先を確認しましょう。


親が亡くなったら「葬祭費」や「埋葬料」を確認する

健康保険の手続きで忘れやすいのが、葬儀に関連する給付です。

加入していた制度によって名称が異なります。

加入していた制度主な給付
協会けんぽなどの健康保険埋葬料・埋葬費
国民健康保険葬祭費
後期高齢者医療制度葬祭費

制度によって支給条件や金額が異なるため、「健康保険なら必ず同じ金額がもらえる」と考えないことが大切です。


協会けんぽの「埋葬料・埋葬費」とは

会社員などが加入する協会けんぽでは、被保険者が業務外の理由で亡くなった場合、一定の条件を満たす人に埋葬料または埋葬費が支給されます。

埋葬料

亡くなった被保険者によって生計を維持されていた人が申請する場合、埋葬料として5万円が支給されます。

親族・遺族であることだけでなく、生計維持関係などが要件になります。

埋葬費

埋葬料を受けられる人がいない場合は、実際に埋葬を行った人に対して、埋葬に要した費用が支給されます。

支給額は5万円を上限として、実際に埋葬に要した費用です。

資格喪失後に亡くなった場合

退職などで被保険者の資格を失った後に亡くなった場合でも、資格喪失後3か月以内の死亡など、一定の条件に当てはまるときは、埋葬料または埋葬費が支給されることがあります。

ただし、資格喪失後に加入した別の健康保険で埋葬料を請求している場合は、支給されません。該当しそうな場合は、加入していた協会けんぽの支部に確認してください。

※健康保険組合に加入していた場合は、組合ごとに給付内容が異なることがあるため、加入先の案内を確認してください。


埋葬料・埋葬費は自動的に支給されるわけではない

埋葬料・埋葬費は、条件を満たしていても自動的に振り込まれるものではありません。

申請が必要です。

協会けんぽでは「健康保険埋葬料(費)支給申請書」を提出して申請します。

申請先は加入していた協会けんぽの支部です。

会社員だった親の場合は、勤務先の担当者に相談しながら手続きを進めると確認しやすいでしょう。


埋葬料・埋葬費には申請期限がある

埋葬料・埋葬費には時効があります。

協会けんぽでは、申請期限について次のように定めています。

給付時効の起算日
埋葬料・家族埋葬料死亡日の翌日
埋葬費埋葬を行った日の翌日

いずれも原則として、起算日から2年で時効となります。

葬儀が終わった後に手続きを忘れてしまうこともあるため、死亡後の手続き一覧に入れて確認しておきましょう。


国民健康保険の「葬祭費」も確認する

国民健康保険では、被保険者が亡くなった場合に、葬祭を行った人に対して葬祭費が支給される制度があります。

ただし、支給額や申請方法などは自治体の条例によって異なります。

そのため、

「国民健康保険なら○万円もらえる」

と一律に考えるのではなく、亡くなった親が住んでいた市区町村へ確認してください。

厚生労働省の国民健康保険条例準則でも、被保険者が死亡した場合に葬祭を行う人へ葬祭費を支給する規定例が示されています。

葬祭費は申請が必要

葬祭費についても、対象となる場合に自動的に支給されるとは限りません。

一般的には、市区町村などの窓口へ申請します。

必要書類や申請期限は自治体によって異なるため、死亡後の健康保険手続きとあわせて確認しましょう。


後期高齢者医療の「葬祭費」も確認する

後期高齢者医療制度でも、被保険者が亡くなった場合に葬祭費が支給される制度があります。

高齢者の医療の確保に関する法律では、後期高齢者医療広域連合が、条例の定めるところにより葬祭費の支給または葬祭の給付を行うこととされています。

そのため、後期高齢者医療に加入していた親が亡くなった場合は、市区町村の後期高齢者医療担当窓口などへ確認してください。


健康保険の手続きで準備しておきたいもの

必要書類は加入していた制度や自治体によって異なりますが、次のようなものを確認しておくと手続きを進めやすくなります。

基本的に確認したいもの

  • 亡くなった親の氏名・住所
  • 死亡日が確認できる書類
  • 資格確認書など
  • 健康保険の記号・番号などが分かるもの
  • 申請者の本人確認書類
  • 振込先口座が分かるもの
  • 葬儀・埋葬を行ったことが確認できる書類
  • 領収書など

ただし、すべてのケースでこれらが必要になるわけではありません。

たとえば協会けんぽの埋葬料申請では、申請者との生計維持関係などによって住民票や仕送りの事実が分かる資料などが必要になる場合があります。

事前に提出先へ必要書類を確認してから準備すると、二度手間を減らせます。


健康保険の手続きチェックリスト

親が亡くなった後は、次の項目を順番に確認していきましょう。

確認項目チェック
亡くなった親の健康保険の種類を確認□
加入していた保険者・窓口を確認□
資格喪失の手続きを確認□
資格確認書などの返却を確認□
国民健康保険の場合は保険料の精算を確認□
後期高齢者医療の場合は資格喪失を確認□
埋葬料・埋葬費の対象になるか確認□
国民健康保険の葬祭費を確認□
後期高齢者医療の葬祭費を確認□
申請期限を確認□

すべてを一度に処理しようとせず、加入していた制度を確認してから必要な手続きを絞り込むと整理しやすくなります。

高額療養費は別に確認する

亡くなる前に高額な医療費を支払っていた場合は、健康保険とは別に高額療養費の対象になることがあります。詳しくは次の記事で整理しています。
→「親が亡くなったら高額療養費はどうなる?相続人が請求する方法・期限・必要書類」

親が亡くなった後の高額療養費はもらえるの?|払い戻し・申請方法・相続人
親が亡くなった後でも、高額療養費は相続人が請求できる場合があります。亡くなる前の医療費が対象になる仕組み、国民健康保険・後期高齢者医療・会社の健康保険ごとの窓口、必要書類、原則2年の申請期限を整理します。

年金や介護保険の手続きも別に確認する

健康保険の手続きだけで、親が亡くなった後の公的な手続きが終わるわけではありません。

年金を受給していた場合は、未支給年金や遺族年金などの確認が必要になることがあります。

年金受給者が亡くなったら必要な手続き|未支給年金・死亡届・遺族年金を解説
親が亡くなった後、年金はどうなる?受給権者死亡届、未支給年金、遺族年金の違いと手続き、必要書類、確認先を整理。亡くなった後に年金の振込があった場合の注意点も解説します。

また、介護保険を利用していた場合は、資格喪失や高額介護サービス費について確認する必要があります。

介護保険の資格喪失手続きと高額介護サービス費|親が亡くなった後の手続き
親が亡くなった後の介護保険手続きを解説。資格喪失届はいつまでに出す?必要書類や提出先、高額介護サービス費の対象・申請期限、介護保険料の精算まで整理します。

さらに、相続に関する手続きを整理するときは、個別の手続きだけでなく全体をチェックすることが大切です。

親を亡くした直後にやるべき手続き一覧|14日・3か月・10か月の期限で解説
親を亡くした直後にやるべき手続きを、7日・14日・3か月・10か月の期限別に整理。相続放棄や相続税申告など見落としやすい期限も、実体験を交えてわかりやすく解説します。

親が亡くなった後は、健康保険だけでなく全体を整理する

親が亡くなった直後は、死亡届、葬儀、年金、健康保険、介護保険、相続など、複数の手続きが同時に発生します。

健康保険については、

  1. どの制度に加入していたか
  2. 資格喪失の手続きは何か
  3. 資格確認書などを返却する必要があるか
  4. 葬祭費・埋葬料などの対象になるか
  5. 申請期限はいつか

の5点を確認すると整理しやすくなります。

個別の手続きが分からなくなった場合は、親が住んでいた市区町村や加入していた健康保険者に確認しましょう。


よくある質問

親が亡くなったら健康保険はいつまで使えますか?

死亡によって健康保険の資格を喪失するため、死亡後も亡くなった親の健康保険をそのまま使用することはできません。

死亡による資格喪失日は、会社員などの健康保険では原則として死亡日の翌日です。

資格確認書などが手元にある場合は、返却方法を加入先へ確認してください。

親が国民健康保険に加入していた場合、葬祭費はいくらですか?

国民健康保険の葬祭費は、自治体によって支給額や申請方法が異なります。

亡くなった親が住んでいた市区町村の国民健康保険窓口で確認してください。

会社員だった親が亡くなった場合、葬祭費はもらえますか?

協会けんぽの場合、一定の条件を満たすと埋葬料または埋葬費が支給されます。

被保険者により生計を維持されていた人が申請する場合は、埋葬料として5万円が支給されます。該当者がいない場合は、実際に埋葬を行った人に埋葬費が支給される場合があります。

埋葬料・葬祭費は自動的にもらえますか?

原則として申請が必要です。

加入していた健康保険や自治体によって申請方法が異なるため、死亡後の手続きとあわせて確認してください。

埋葬料の申請期限はありますか?

協会けんぽの埋葬料・家族埋葬料は死亡日の翌日から、埋葬費は埋葬を行った日の翌日から、それぞれ2年で時効となります。

国民健康保険などの葬祭費については、加入していた自治体へ申請期限を確認してください。


この記事について

執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年9月

この記事では、厚生労働省、日本年金機構、全国健康保険協会などの公的情報をもとに、親が亡くなった後の健康保険に関する手続きを整理しています。

制度や申請方法は加入していた健康保険者・自治体によって異なる場合があります。実際に手続きをする際は、加入していた保険者や市区町村の最新案内も確認してください。


参照元

  • 厚生労働省「国民健康保険法」
  • 厚生労働省「国民健康保険法施行規則」
  • 厚生労働省「高齢者の医療の確保に関する法律」
  • 日本年金機構「資格確認書等の返納手続き」
  • 全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」
  • 全国健康保険協会「健康保険給付について」
  • 全国健康保険協会「健康保険埋葬料(費)支給申請書」