遺言書の種類と検認が必要なケース|親が亡くなった後に確認すること

終活
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親が亡くなった後、自宅などから遺言書が見つかることがあります。

遺言書を見つけたときに注意したいのが、すぐに開封してよいのか、家庭裁判所の「検認」が必要なのかという点です。

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などがあり、保管方法によって検認の必要性も異なります。

たとえば、通常の自筆証書遺言を自宅などで発見した場合は、原則として家庭裁判所で検認の手続きを行います。

一方、公正証書遺言や法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管された遺言書は、検認が不要です。

この記事では、遺言書の種類、検認が必要なケース、遺言書を見つけたときの対応、法務局に保管されている遺言書の確認方法について整理します。

この記事のポイント

  • 遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などがある
  • 自宅などで見つけた自筆証書遺言は、原則として検認が必要
  • 公正証書遺言は検認不要
  • 法務局に保管されている自筆証書遺言も検認不要
  • 検認は遺言の有効・無効を判断する手続きではない
  • 遺言書を見つけても、自己判断で開封せず、種類と保管場所を確認する

  1. 親が亡くなった後に遺言書が見つかったら?
    1. まず確認したい3つ
  2. 遺言書にはどんな種類がある?
  3. 自筆証書遺言とは?
    1. 自宅で見つかった自筆証書遺言はどうする?
  4. 自筆証書遺言書保管制度とは?
    1. 法務局に保管されていた場合は検認不要
  5. 公正証書遺言とは?
  6. 秘密証書遺言とは?
  7. 検認とは何をする手続き?
    1. 検認=遺言が有効という意味ではない
  8. 検認が必要な遺言・不要な遺言
  9. 自宅で遺言書を発見した場合の流れ
    1. ① 遺言書を勝手に開封しない
    2. ② 遺言書の種類を確認する
    3. ③ 法務局に保管されていないか確認する
    4. ④ 検認が必要なら家庭裁判所へ申し立てる
  10. 遺言書の検認はどこに申し立てる?
  11. 検認が終わったら相続手続きを進める
  12. 遺言書があっても相続放棄の期限には注意
  13. 遺言書が見つからない場合はどうする?
  14. 親が亡くなった後の遺言書チェックリスト
    1. 遺言書を探す
    2. 遺言書を発見したら
    3. 検認が必要な場合
    4. 遺言書の内容を確認した後
  15. よくある質問
    1. 遺言書を見つけたら、すぐ開封してもいいですか?
    2. 公正証書遺言にも検認は必要ですか?
    3. 法務局に保管されている自筆証書遺言は検認が必要ですか?
    4. 検認を受ければ、その遺言書は必ず有効ですか?
    5. 遺言書がある場合、遺産分割協議は必要ですか?
  16. この記事について
  17. 参照元
  18. 関連する記事

親が亡くなった後に遺言書が見つかったら?

まず、遺言書の種類と保管場所を確認してください。

自宅の机や金庫などから封印された遺言書が見つかった場合、相続人がその場で開封して内容を確認するのではなく、家庭裁判所での検認が必要かどうかを確認します。

裁判所も、自筆の遺言書を発見した場合には、自分で開封せず、速やかに検認の申立てをするよう案内しています。

ただし、すべての遺言書に検認が必要なわけではありません。

まず確認したい3つ

  1. どの種類の遺言書なのか
  2. どこに保管されていたのか
  3. 法務局や公証役場で作成・保管されたものなのか

この3点を確認すると、次に必要な手続きが整理しやすくなります。


遺言書にはどんな種類がある?

一般的な相続で確認することが多い遺言書には、次のような種類があります。

種類主な特徴検認
自筆証書遺言遺言者が自分で作成する原則必要
自筆証書遺言書保管制度自筆証書遺言を法務局で保管不要
公正証書遺言公証人が公正証書として作成不要
秘密証書遺言内容を秘密にしたまま公証人の関与を受けて作成原則必要

法務省は、普通方式の遺言として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などを案内しています。

ここでは、親が亡くなった後に実際に発見する可能性がある遺言書を中心に説明します。


自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言は、遺言者が自分で作成する遺言です。

自宅などで保管されることも多く、相続開始後に家族が発見するケースがあります。

自筆証書遺言には、法律上の方式が定められています。

たとえば、遺言書本文については、原則として遺言者本人が全文、日付、氏名を自書し、押印する必要があります。

財産目録については、一定の条件のもとで自書によらないものを添付できますが、その場合も署名・押印などの要件があります。

そのため、単に本人が書いた紙が残っていれば、必ず有効な遺言になるとは限りません。

自宅で見つかった自筆証書遺言はどうする?

自宅などで見つかった自筆証書遺言について、封印がされている場合は、自分で開封せず、家庭裁判所に検認を申し立てるのが基本です。

遺言書の内容を確認したいからといって、相続人が先に開封するのではなく、まず検認の必要性を確認しましょう。


自筆証書遺言書保管制度とは?

自筆証書遺言には、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用して保管する方法があります。

この制度では、自筆証書遺言の原本と画像データを法務局が保管します。

法務局では、保管申請時に民法上の自筆証書遺言の方式に適合しているかについて、外形的な確認も行っています。

法務局に保管されていた場合は検認不要

法務局に保管された自筆証書遺言については、家庭裁判所での検認は必要ありません。

これは、自宅などで発見した通常の自筆証書遺言との大きな違いです。

相続人などは、法務局に対して「遺言書情報証明書」の交付を請求するなどして、遺言書の内容を確認できます。

法務局では、遺言書が保管されているかどうかを確認する「遺言書保管事実証明書」の交付請求や、内容を証明する「遺言書情報証明書」の交付請求などが案内されています。


公正証書遺言とは?

公正証書遺言は、公証人が作成する公正証書による遺言です。

遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公正証書として作成します。

公正証書遺言は、家庭裁判所での検認が不要です。

そのため、親が公正証書遺言を作成していたことが分かった場合、通常の自筆証書遺言のように「家庭裁判所で検認しなければならない」と考える必要はありません。


秘密証書遺言とは?

秘密証書遺言は、遺言の内容を秘密にしたまま、公証人の関与を受けて作成する方式です。

法務省は、秘密証書遺言について「遺言の内容を秘密にして作成・封印する遺言」と説明しています。

秘密証書遺言は、公正証書遺言とは異なり、原則として検認が必要です。


検認とは何をする手続き?

検認は、家庭裁判所で行う手続きです。

裁判所によると、検認には、

  • 相続人に遺言書の存在や内容を知らせる
  • 遺言書の形状を確認する
  • 加除訂正の状態を確認する
  • 日付や署名などを確認する
  • 検認時点の遺言書の状態を明確にする
  • 遺言書の偽造・変造を防止する

といった目的があります。

検認=遺言が有効という意味ではない

ここは特に注意してください。

検認は、遺言の内容が法律上有効か無効かを判断する手続きではありません。

検認によって「この遺言は有効だ」と裁判所が判断するわけではありません。

そのため、検認済みの遺言書であっても、遺言の効力について別の問題が生じる可能性があります。


検認が必要な遺言・不要な遺言

実際の相続では、次の整理をしておくと分かりやすくなります。

遺言書の状態検認
自宅などで保管していた自筆証書遺言原則必要
法務局に保管していた自筆証書遺言不要
公正証書遺言不要
秘密証書遺言原則必要
特別の方式による遺言原則必要

法務省・裁判所の資料でも、公正証書遺言、法務局保管の自筆証書遺言以外の一定の遺言について検認が必要と整理されています。


自宅で遺言書を発見した場合の流れ

自宅などで遺言書を見つけた場合は、次の順番で確認しましょう。

① 遺言書を勝手に開封しない

封印された遺言書であれば、自分で開封せず、そのまま保管します。

裁判所も、自筆の遺言書を発見した場合は自分で開封せず、速やかに検認の申立てをするよう案内しています。

② 遺言書の種類を確認する

自筆証書遺言なのか、法務局保管なのか、公正証書遺言なのかを確認します。

③ 法務局に保管されていないか確認する

手元に遺言書がなくても、親が法務局の遺言書保管制度を利用していた可能性があります。

相続人などは、法務局に対して遺言書保管事実証明書の交付を請求できます。

④ 検認が必要なら家庭裁判所へ申し立てる

自宅などで発見した自筆証書遺言など、検認が必要な遺言については、家庭裁判所に検認を申し立てます。


遺言書の検認はどこに申し立てる?

検認は家庭裁判所で行います。

申立てをする際には、遺言者の死亡を確認できる戸籍など、相続人を確認するための書類などが必要になります。

具体的な必要書類は、相続人の構成や遺言書の状況によって異なるため、申立先の家庭裁判所の案内を確認してください。

裁判所では、遺言書の検認について申立書や必要書類、手続きの流れを案内しています。


検認が終わったら相続手続きを進める

検認が必要な遺言書について検認手続きを終えたら、遺言書の内容を確認し、その内容に応じて相続手続きを進めます。

たとえば、

  • 預貯金の名義変更・解約
  • 不動産の相続登記
  • 株式などの名義変更
  • 遺言執行者による手続き
  • 相続人以外への遺贈に関する手続き

などが考えられます。

ただし、検認が終わったからすべての相続手続きが完了するわけではありません。

検認はあくまで遺言書の状態を確認する手続きです。

相続財産の調査や相続税、相続登記などは別途確認する必要があります。


遺言書があっても相続放棄の期限には注意

遺言書が見つかった場合でも、相続についての判断がすべて不要になるわけではありません。

たとえば、相続財産よりも借金などの債務が多い可能性があり、相続放棄を検討する場合には、別途3か月の期限が関係します。

遺言書の確認と相続放棄は別の問題として整理しましょう。

相続放棄については、次の記事で詳しく説明します。

相続放棄・限定承認とは?|3か月以内の期限・手続き・注意点を解説
相続放棄と限定承認の違い、3か月以内の熟慮期間と期間伸長の制度、家庭裁判所への申述、先に財産を処分しない注意点を整理。借金がある場合の判断の進め方も解説します。

遺言書が見つからない場合はどうする?

親が「遺言を書いた」と話していたにもかかわらず、自宅などに遺言書が見つからない場合があります。

この場合は、次の場所を確認します。

  • 法務局の自筆証書遺言書保管制度
  • 公正証書遺言の有無
  • 親が保管していた書類
  • 弁護士・司法書士・行政書士などに預けていないか
  • 親族や関係者から遺言書の存在を聞いていないか

特に法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合、遺言書の原本は法務局に保管されています。

相続人などは、遺言書保管事実証明書の交付請求によって、遺言書が保管されているか確認できます。


親が亡くなった後の遺言書チェックリスト

遺言書を探す

  • 自宅や金庫などを確認
  • 親が遺言書を作成していたか確認
  • 法務局に保管されていないか確認
  • 公正証書遺言の有無を確認

遺言書を発見したら

  • 自筆証書遺言か確認
  • 法務局保管か確認
  • 公正証書遺言か確認
  • 封印されている場合は自分で開封しない
  • 検認が必要か確認

検認が必要な場合

  • 家庭裁判所に申立て
  • 必要書類を確認
  • 相続人への通知などの手続きを確認
  • 検認後に遺言内容を確認
  • 必要な相続手続きを進める

遺言書の内容を確認した後

  • 相続財産を確認
  • 相続放棄の期限を確認
  • 相続税の申告が必要か確認
  • 不動産があれば相続登記を確認

よくある質問

遺言書を見つけたら、すぐ開封してもいいですか?

封印された自筆証書遺言を自宅などで発見した場合は、自己判断で開封せず、検認が必要か確認してください。

裁判所も、自筆の遺言書を発見した場合は、自分で開封せず、速やかに検認の申立てをするよう案内しています。

公正証書遺言にも検認は必要ですか?

通常、公正証書遺言について検認は必要ありません。

検認が必要なのは、公正証書遺言以外の一定の遺言です。

法務局に保管されている自筆証書遺言は検認が必要ですか?

必要ありません。

自筆証書遺言書保管制度を利用して法務局に保管された遺言書は、検認の対象外です。

検認を受ければ、その遺言書は必ず有効ですか?

いいえ。

検認は遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。

遺言書の存在や内容、形状などを確認して、その状態を明確にするための手続きです。

遺言書がある場合、遺産分割協議は必要ですか?

遺言書の内容や相続人の状況などによって異なります。

遺言書の内容に従って相続手続きを進められるケースがある一方、遺言の内容や遺産の状況によって別途確認が必要になる場合があります。

遺言書を見つけた段階で、自己判断だけで手続きを進めず、必要に応じて専門家へ確認しましょう。


この記事について

執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年9月

本記事では、親が亡くなった後に確認したい遺言書の種類と検認について、法務省・裁判所などの公的情報をもとに整理しています。

遺言書の有効性や相続人間の具体的な争いについては、個別事情によって判断が異なります。

実際に遺言書を発見した場合は、自己判断で開封・処分・破棄などをせず、家庭裁判所や法務局などの案内を確認してください。


参照元

  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
  • 法務省「遺言制度の見直しに向けた検討」
  • 東京法務局「自筆証書遺言書保管制度とは?」
  • 東京法務局「遺言者が亡くなられた後に行う手続」
  • 東京法務局「遺言書を作成するときの注意点」
  • 裁判所「遺言書検認の申立てについて」
  • 裁判所「家事事件Q&A」

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