墓石の購入を検討する中で、「税金はどうなるのだろう」という疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、墓石や墓地にまつわる税金の基本的な考え方について解説します。
なお、税制は改正されることがあり、個々の状況によって取り扱いが異なる場合もあります。この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。具体的な判断が必要な場合は、税理士など専門家への相談をおすすめします。
墓石購入と税金の基本的な関係
墓石は「祭祀財産」として扱われる
墓地や墓石、仏壇、仏具といった、先祖や神仏を祀るための財産は、法律上「祭祀財産」と呼ばれる特別な区分に分類されます。
祭祀財産は、預貯金や不動産などの通常の相続財産とは異なる扱いを受けており、遺産分割の対象にもならず、慣習に従って祭祀を主宰する一人が承継する(民法897条)という考え方が取られています。
祭祀財産と相続税の関係
相続税法12条1項2号では、墓所や霊びょう、祭具などは、相続税の課税対象に含めないと定められています。
「ただし、骨とう的な価値がある、あるいは投資や商品としての性質を持つものは、この非課税の対象から外れる場合があります。」の後ろに追加: 国税庁の案内でも、同じ趣旨の但し書きがあります。
この扱いは、国税庁のタックスアンサー「No.4108 相続税がかからない財産」でも案内されています。
そのため、墓地や墓石を相続によって引き継いだとしても、原則として相続税はかかりません。これは、祖先を祀る慣習への配慮という考え方に基づくものとされています。
ただし、骨とう的な価値がある、あるいは投資や商品としての性質を持つものは、この非課税の対象から外れる場合があります。
通常の礼拝目的で所有している墓石であれば、こうした心配は基本的に不要です。
相続全体の流れや、必要な手続きは、こちらの記事で解説しています。
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生前に墓石を購入すると相続税対策になるのか
非課税財産として扱われる考え方
墓地や墓石は相続税の非課税財産であるため、亡くなった後に相続人が現金で購入しても、その費用を遺産総額から差し引くことはできません。
一方で、生前に現金で墓石を購入しておけば、その分だけ手元の現金(課税対象となる遺産)を減らすことができるため、結果として相続税の負担を抑える効果があるとされています。
これが、生前建墓(寿陵)が相続税対策として語られることがある理由です。
ローンが残っている場合の注意点
生前に墓石を購入する場合、注意しておきたいのが支払い方法です。
墓石をローンで購入し、完済する前に亡くなった場合、その残債は通常の借入金のように相続税の計算上で債務控除の対象とはなりません。祭祀財産に関する債務は控除の対象外とされているためです。
相続税対策としての効果を考える場合は、生存中に現金で購入を完了しておくことが重要なポイントになります。
例えば、現金のまま相続を迎えると、その現金は相続税の課税対象に含まれます。一方、生前にその現金で墓石を購入しておけば、現金は非課税財産である祭祀財産に姿を変えるため、相続税の計算対象からは外れることになります。
実際にどの程度の効果があるかは、資産全体の状況や税率区分によって異なるため、具体的な試算については税理士に相談することをおすすめします。
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実際の費用感は、こちらの記事で解説しています。
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墓石購入にかかるその他の税金
消費税は課税されるのか
墓石そのものの購入(石材費・工事費)には、通常の商品購入と同様に消費税が課税されます。また、霊園や墓地に毎年支払う管理料についても、多くの場合、消費税の課税対象となります。
一方で、墓地の区画を使用する権利である「永代使用料」については、土地の売買ではなく使用権の取得であるという性質上、消費税は非課税として扱われるのが一般的です。
また、お布施や戒名料といった、宗教活動に伴う喜捨金にも消費税はかかりません。
固定資産税はかかるのか
墓地は、法律上「所有」するものではなく「永代にわたって使用する権利」を得るものです。また、墓地は、地方税法348条2項4号で、固定資産税の非課税と定められています。
なお、墓石は、固定資産税の対象となる固定資産(土地・家屋・償却資産)には当たりません。
地目が「墓地」として登録されている土地には、原則として固定資産税がかからないと定められています。
ただし、墓地として使われていない状態が続くなど、墓地としての実態がなくなったと判断された場合は、課税される可能性があります。判断は自治体によって異なるため、不安がある場合は、墓地の管理者や、自治体の窓口に確認してください。
ここまでの内容を整理すると、以下のようになります。
| 税金の種類 | 課税されるか |
|---|---|
| 相続税(墓地・墓石を相続する場合) | 非課税 |
| 消費税(墓石本体・工事費) | 課税 |
| 消費税(永代使用料) | 非課税 |
| 消費税(お布施・戒名料) | かからない(課税の対象外) |
| 固定資産税(墓地) | 原則非課税(放置により例外あり) |
| 税金の種類 | 課税されるか |
|---|---|
| 相続税(墓地・墓石を相続する場合) | 非課税 |
| 消費税(墓石本体・工事費) | 課税 |
| 消費税(永代使用料) | 非課税 |
| 消費税(お布施・戒名料) | 非課税 |
| 固定資産税(墓地) | 原則非課税(放置により例外あり) |
よくある質問
Q. 墓地の名義変更に手数料はかかりますか?
墓地の使用権を承継する際、霊園や寺院によっては名義変更(承継)の手続き費用がかかる場合があります。
金額は霊園・寺院ごとに異なるため、事前に管理者へ確認しておくと安心です。
Q. 仏壇とセットで購入した場合、税金の扱いは変わりますか?
仏壇・仏具も、墓地・墓石と同じく祭祀財産に分類されます。
そのため、通常の礼拝目的で所有するものであれば、墓石と同様に相続税の非課税財産として扱われます。
【まとめ】税金面の疑問は専門家への確認も併用を
一般論と個別事情の違い
ここまで、墓石や墓地にまつわる税金の一般的な考え方を解説してきました。
祭祀財産としての非課税の扱いは多くのケースに当てはまりますが、資産の状況や購入方法によっては、個別に判断が必要になる場合もあります。
特に相続税対策として生前購入を検討する場合は、全体の資産状況を踏まえたうえで、税理士に相談しながら進めることをおすすめします。
税金面の理解を深めたら、次は相場の確認を
生前建墓を検討している方は特に、実際にどのくらいの予算で墓石を用意できるのか、早めに相場観を掴んでおくと計画が立てやすくなります。
- 複数の石材店から見積もりを比較する
- ローンではなく現金での購入を検討する
- 石材・工事内容・保証まで含めて比較する
- 個別の税金判断は税理士にも相談する
契約は必須ではありません。まずは複数社の見積もりを取ることから始めてください。 なお、公式案内では、建墓・リフォームの予定や意思がない方、墓所が民営霊園の方は、利用をご遠慮いただくとされています。
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生前建墓についてより詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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この記事について
執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年10月






