要介護認定を急いだ理由|入院中の父の介護申請で経験したこと

終活
記事内に広告が含まれています。

父が肺がんステージ4となり、入院中に日に日に状態が変わっていった頃、私は要介護認定の申請を急ぐよう看護師から言われました。

食事が取れなくなり、点滴だけで栄養を取るようになった父。面会に行くたびに痩せていく姿を見ながらも、仕事や母のサポートに追われ、介護の手続きを後回しにしていました。

さらに、父のマスクや爪のことで看護師にお願いをしたことをきっかけに、「クレーマーだと思われたのではないか」「父への対応まで変わったらどうしよう」と不安になったこともあります。

この記事では、当時の私が要介護認定を急いだ理由と、入院中の父を支える家族として、医師や看護師との関わりに悩んだ経験を、そのまま書き残します。

  1. 父の状態が日に日に変わり、要介護認定を急ぐことになった
    1. 食事が取れなくなり、点滴だけになっていた
    2. 面会に行くたび、父の姿が変わっていった
    3. 看護師から「申請しましたか」と言われた
  2. 私が要介護認定の申請を後回しにしていた理由
    1. 仕事と父の入院、母のサポートで余裕がなかった
    2. 「まだ大丈夫」と思っていたわけではない
    3. ただ、何をいつ準備すればいいのか分からなかった
  3. 要介護認定について、当時の私が知らなかったこと
  4. 医師や看護師との関わり方にも苦労した
    1. 看護師にもいろいろな人がいた
    2. 父に悪い影響が出ないか、そればかり気にしていた
  5. 父のマスクと爪のことで、看護師にお願いしたこと
    1. 薄汚れたマスクが気になった
    2. 伸びきった爪も気になった
    3. お願いした瞬間、看護師の表情が変わったように感じた
  6. 次の面会から、家族への対応が変わったように感じた
    1. 「クレーマーだと思われたかな」と心配した
    2. あの対応がなぜ変わったのかは、今でも分からない
  7. あのときの私は「言い方」よりも、父への影響を心配していた
    1. 父への対応まで変わったらどうしようと思った
    2. 今振り返っても、あのときの判断は簡単ではない
  8. 今になって思う、医療や介護について知っておきたかったこと
    1. 父の病状だけでなく、心の変化についても知っておきたかった
    2. 要介護認定などの制度を知っておきたかった
    3. 医師や看護師とどう話せばいいのかも知っておきたかった
  9. 後悔先に立たず――父の入院を経験して思ったこと
  10. よくある質問
    1. Q1.入院中でも要介護認定の申請はできますか?
    2. Q2.要介護認定を申請すれば、すぐに介護サービスを利用できますか?
    3. Q3.病院の看護師にお願いや相談をしてもいいのでしょうか?
  11. まとめ
  12. この記事について
    1. 参照元
  13. 関連記事

父の状態が日に日に変わり、要介護認定を急ぐことになった

病院の廊下に置かれた、誰も座っていないベンチ

一番の理由は、入院中の父の状態が日に日に悪化していたからでした。

食事を一切取ることができず、点滴だけで栄養を取るようになっていました。

面会に行くたびに、ショックを受けるくらい骨だけのように痩せこけた姿に変わっていきました。

それでも私は、仕事や入院している父、そして母のサポートに追われていました。

やらなければならないことは分かっていても、要介護認定の申請は後回しになっていました。

食事が取れなくなり、点滴だけになっていた

父の食欲は日に日に落ちていきました。

食事を一切取ることができなくなり、点滴だけで栄養を取るようになっていました。

面会に行くたびに父の姿が変わっていくのが分かりました。

「こんなに痩せてしまったのか」と、面会のたびにショックを受けていました。

面会に行くたび、父の姿が変わっていった

父の状態を心配しながらも、私は仕事もありました。

入院している父のことだけを考えていればいいわけではなく、母のサポートもしなければなりません。

そのため、介護のことを考える余裕がなくなっていました。

今振り返ると、何か一つのことを後回しにしたというより、いろいろなことが一度に押し寄せてきて、どこから手を付ければいいのか分からなくなっていたのだと思います。

看護師から「申請しましたか」と言われた

そんなとき、しびれを切らしたような様子の看護師から、

「介護認定の申請をしましたか? していないなら、急いでください」

と言われました。

そこで私は、ようやく重い腰を上げることになりました。

「やらなければいけない」と思っていたことを、実際に動き始めるきっかけになったのは、その看護師の言葉でした。


私が要介護認定の申請を後回しにしていた理由

仕事と父の入院、母のサポートで余裕がなかった

当時の私は、父の病院への対応だけでなく、仕事や母のサポートにも追われていました。

父の病状が悪くなっていることは分かっていました。

それでも、次から次へとやることが出てくるため、「介護認定の申請をしなければ」と思いながら、後回しになってしまったのです。

「まだ大丈夫」と思っていたわけではない

今になって思うのは、私が「まだ大丈夫だから申請しなくてもいい」と考えていたわけではないということです。

むしろ、父の状態が悪くなっていることは目の前で分かっていました。

ただ、何をいつ準備すればいいのかが分からなかった。

それが大きかったと思います。

ただ、何をいつ準備すればいいのか分からなかった

終活や介護について、元気なときに少しでも知識を持っていれば、状況が変わったときに慌てずに済んだかもしれません。

当時の私は、実際に父の状態が変わってから、その場その場で調べたり、人から言われて動いたりしていました。


要介護認定について、当時の私が知らなかったこと

要介護認定は、介護が必要な状態かどうか、またどの程度の介護が必要なのかを判定するための制度です。

申請後は認定調査や主治医意見書などをもとに審査が行われ、要介護度などが決まります。

私は当時、こうした仕組みについてほとんど知りませんでした。

だからこそ、看護師から「急いでください」と言われて、初めて具体的に動き始めました。

※この記事では、父の実際の体験を中心に書いています。要介護認定の制度や対象となる条件は、年齢や状況によって異なるため、個別のケースについては市区町村などの窓口で確認してください。


医師や看護師との関わり方にも苦労した

要介護認定の申請だけではありません。

医師や看護師とのかかわり方にも、とても苦労しました。

当たり前ですが、看護師にもいろいろな人がいます。

人当たりが柔らかく優しい人もいれば、不愛想でそっけない対応をする人もいました。

患者やその家族との相性もあると思います。

看護師にもいろいろな人がいた

私は、入院している父に悪い影響がないように、細心の注意を払って接しているつもりでした。

特に怖かったのは、

「あの患者の家族は態度が悪いから、他の患者より適当に看病しよう」

などと思われるようなことが起きないか、ということでした。

もちろん、それが実際に起きたと確認したわけではありません。

当時の私は、ただそれが心配で仕方なかったのです。

父に悪い影響が出ないか、そればかり気にしていた

父は入院中です。

私は家に帰ることができますが、父はその病棟で看護師や医師に囲まれて過ごしています。

だからこそ、私が何か余計なことを言って、父に影響が出たらどうしようと考えていました。

今思えば、かなり神経質になっていたと思います。


父のマスクと爪のことで、看護師にお願いしたこと

そんなある日、父の面会で病室に入ったとき、気になることがいくつかありました。

父がつけていたマスクが薄汚れていたこと。

そして、手足の爪が伸びきっていたことです。

薄汚れたマスクが気になった

父は入院するとき、マスクの替えを複数持っていっていました。

そこで私は、

「マスクは、入院するときに替えを複数持たせているので、汚れてきたら交換をお願いできますか?」

とお願いしました。

伸びきった爪も気になった

さらに、

「爪も、手が空いているときでいいので、切っていただけますか?」

とお願いしました。

父のことを思えば、私としては普通にお願いしたつもりでした。

ところが、その言葉を聞いた瞬間、看護師の顔の表情が変わったように感じました。

お願いした瞬間、看護師の表情が変わったように感じた

ほんの一瞬でした。

眉間にしわが寄ったというか、イラっとした感じが伝わってきたのです。

もちろん、本当にそうだったのかは分かりません。

疲れていたのかもしれません。

別のことを考えていたのかもしれません。

ただ、そのときの私は、

「まずいことを言ったかな」

「クレーマーだと思われたかな」

と、とても心配になりました。


次の面会から、家族への対応が変わったように感じた

半分開いた病室のドアからこぼれる柔らかい光

悪い予感が的中したのか、次の面会のときから、若い看護師が家族への対応をすることがなくなりました。

看護師長など、ベテランの看護師二人組で対応されるようになったのです。

「クレーマーだと思われたかな」と心配した

その当時の私は、

「何か言い方が悪かったのかな」

「余計なことを言ってしまったのかな」

と後悔しました。

そして何より、

「私への対応が変わるだけならまだいい。でも、父への対応まで変わったらどうしよう」

と思っていました。

あの対応がなぜ変わったのかは、今でも分からない

ここは、今になっても私には分かりません。

私がマスクや爪についてお願いしたことが理由だったのかもしれません。

あるいは、まったく別の理由だったのかもしれません。

看護師側の事情を私は知りません。

だから、「私がお願いしたから看護師の対応が変わった」と断定することはできません。

ただ、当時の私はそう感じ、父への影響がないことだけを願っていました。


あのときの私は「言い方」よりも、父への影響を心配していた

病棟で働く看護師は、命に関わる仕事です。

担当する患者の人数や仕事量も多く、限界に近い状態で頑張っていることも、理解しています。

父への対応まで変わったらどうしようと思った

それでも当時の私は、父のことしか考えられませんでした。

自分の言い方が悪かったのなら直したい。

でも、それによって父に何か影響が出るのだけは避けたい。

そんな気持ちでした。

今振り返っても、あのときの判断は簡単ではない

誰が悪かったのかを決められるような話ではありません。

私には看護師側の事情は分かりませんし、看護師から見れば、家族からいろいろな要望を受けることも仕事の一部だったと思います。

ただ、患者の家族として病院にいると、ちょっとした表情や言葉にも敏感になってしまう。

私は父の入院を通して、それを実感しました。


今になって思う、医療や介護について知っておきたかったこと

父の入院を経験して、もっと早く知っておけばよかったと思うことがいくつもあります。

父の病状だけでなく、心の変化についても知っておきたかった

父の肺がんが進行していくことだけでなく、病気になった本人がどんな気持ちになるのか。

家族に何を求めているのか。

そのときの私は、そうしたことを考える余裕もありませんでした。

要介護認定などの制度を知っておきたかった

要介護認定についても、看護師に急かされて初めて具体的に動きました。

元気なうちから制度を知っていれば、いざというときに「何をすればいいのか分からない」という状態にはならなかったかもしれません。

医師や看護師とどう話せばいいのかも知っておきたかった

そして、医師や看護師との関わり方についても、もっと知っておけばよかったと思います。

何を伝えるべきなのか。

どこまでお願いしていいのか。

疑問や不安があるとき、どう聞けばいいのか。

当時の私は、その一つひとつを手探りでやっていました。


後悔先に立たず――父の入院を経験して思ったこと

窓辺の机に置かれた、白紙のカレンダーとペン

父の入院を経験して、私は「知識がないこと」の怖さを何度も感じました。

父の病気についても、介護についても、医療者との関わり方についても、もっと早く知っておけばよかったと思うことばかりでした。

すべてが後手後手でした。

何もせず、ただ日々をなんとなく過ごしてきた自分を、責めたくなることもあります。

でも、今になって思えば、当時の私は当時なりに必死でした。

仕事をしながら父の入院に対応し、母のことも気にかけながら、その場その場で起きることに対応していました。

だからこそ、この記事を読んでいる方には、私と同じように何も分からないまま、その時を迎えてほしくないと思っています。

父を自宅に迎える準備をすることになったときも、私たちは限られた時間の中で、必要なことを一つずつ進めていくことになりました。

そのときのことは、次の記事で書いています。

父を自宅で看取ると決めた日|退院準備から葬儀社探しまで、家族が経験したこと
父を自宅で看取ると決め、退院準備を進めていた家族の実体験です。介護認定の申請、訪問介護や介護ベッドの準備、退院前日に父が亡くなったこと、葬儀社探しまで、当時の出来事をそのまま振り返ります。

よくある質問

Q1.入院中でも要介護認定の申請はできますか?

要介護認定の申請自体は、市区町村の介護保険担当窓口などで行います。

入院中だから申請できない、というものではありません。

ただし、実際の申請方法や認定調査の進め方は、本人の状況や自治体によって確認が必要です。

私の場合は、父が入院しているときに看護師から申請を急ぐよう言われ、そこから具体的に動き始めました。

Q2.要介護認定を申請すれば、すぐに介護サービスを利用できますか?

申請しただけで、すべての介護サービスが直ちに利用できるわけではありません。

認定調査や主治医意見書などを経て、要介護度が判定されます。

実際にどのようなサービスを利用できるのかは、認定結果や本人の状態などによって異なります。

Q3.病院の看護師にお願いや相談をしてもいいのでしょうか?

患者の状態や入院生活について気になることがあれば、まず担当の看護師などに相談することはできます。

私自身、父のマスクや爪についてお願いをしました。

ただ、当時の私は「どのように伝えればいいのか」が分からず、相手の反応を必要以上に気にしていました。

今振り返ると、疑問や心配があるときに、落ち着いて伝えることの大切さを感じています。


まとめ

父の入院中、私は要介護認定の申請を急ぐよう看護師から言われて、ようやく動きました。

それまでの私は、父の病状が変化していくことに追われ、仕事や母のサポートにも追われ、何をいつ準備すればいいのかも分かっていませんでした。

さらに、医師や看護師との関わり方にも悩みました。

マスクや爪のことでお願いをしたとき、看護師の表情が変わったように感じ、その後の対応が変わったことも、当時の私には大きな不安でした。

ただ、それが何を意味していたのかは、今になっても分かりません。

だからこそ、この記事では病院側の対応を一方的に評価するのではなく、当時の私が何を感じ、何を心配し、何を知らなかったのかを、そのまま残しています。

父の入院を経験して強く感じたのは、病気の知識だけではなく、介護制度や医療者との関わり方についても、元気なうちから少しずつ知っておくことの大切さでした。


この記事について

この記事は、肺がんステージ4となった父の入院中に、家族として要介護認定の申請や病院とのやり取りを経験した筆者自身の体験をもとに書いています。

本文中の父の状態、看護師とのやり取り、当時感じた不安や後悔は、筆者自身の体験・記憶に基づくものです。

一方、要介護認定などの制度に関する説明は、公的機関の情報を確認したうえで整理しています。

この記事は、特定の医療機関や医療従事者の対応を評価・批判することを目的としたものではありません。

医療・介護に関する具体的な判断が必要な場合は、主治医、看護師、地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当窓口などにご相談ください。

参照元

  • 厚生労働省「要介護認定について」
  • 厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
  • 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」要介護認定の流れ
  • 厚生労働省「がん対策・緩和ケア関連情報」

関連記事

緩和ケアは治療をやめること?父の終末期で初めて知った誤解と家族の経験
肺がんステージ4だった父の治療がうまくいかなくなったとき、私は「緩和ケア=治療をやめること」だと思っていました。父の怒りや入院中の出来事を振り返りながら、当時の誤解と現在の緩和ケアについて解説します。
父が死ぬことを初めて理解した日|家族が親の終末期を受け入れるまで
父が肺がんステージ4となっても、私は父が死ぬことを現実として考えられませんでした。入院中の父と看護師との会話をきっかけに、父の死を初めて理解した日のことを、家族としての実体験から書きます。