墓石の種類は大きく3つに分けられる

和型・洋型・デザイン墓石(自由型)の基本的な違い
墓石を検討し始めると、まず目にするのが「和型」「洋型」「デザイン墓石」という3つの分類です。この3つは、見た目の印象が異なるだけでなく、成り立ちや選ばれる背景にも違いがあります。
和型墓石は、縦長の石を3段に積み重ねる、日本で古くから受け継がれてきた伝統的な形式です。寺院墓地や、代々続く家墓としての性格が強い墓地でよく見られます。
洋型墓石は、横長で背の低い形状が特徴で、比較的新しく普及してきた形式です。シンプルでモダンな印象を与えやすく、公園型霊園など新しいタイプの墓地で多く採用されています。
デザイン墓石(自由型)は、和型・洋型といった従来の形式にとらわれず、故人の趣味や家族の想いを自由な形で表現する形式です。彫刻や形状に大きな自由度がある分、石材店の設計力や加工技術による差が出やすい分野でもあります。
この3つのどれが「良い・悪い」ということではなく、家庭の状況や価値観、墓地の条件によって適した形式が異なります。次のセクションから、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
まず、ざっくり違いを知りたい方へ
| 項目 | 和型 | 洋型 | デザイン墓石 |
|---|---|---|---|
| 外観の特徴 | 伝統的な3段構造(縦長) | 横長で重心が低くモダン | 自由な形・彫刻 |
| 主な設置場所 | 寺院墓地、伝統的な霊園 | 公園型霊園、芝生墓地 | 規定が柔軟な霊園 |
| 費用の傾向 | 高めになりやすい(石材量が多い) | やや抑えやすい傾向 | デザイン・加工の複雑さによる |
建墓や建て替えを検討していて、自分の地域や霊園の条件で、実際にどのくらいの費用になるかを知りたい場合は、この記事を読み終えなくても、先に見積もりで確認していただいて構いません。
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費用の傾向について、全国優良石材店の会の2025年お墓購入者アンケート(加盟石材店でお墓を購入した818名が対象、墓地取得費用を除く)では、墓石の平均購入価格は、デザイン墓石が189.7万円、和型が182.8万円、洋型が160.3万円でした。あくまで平均で、石材や大きさ、地域によって大きく変わります。
価格相場の全体像は、こちらの記事で解説しています。
墓石の価格相場はいくら?平均費用と値段の決まり方・見積書の見方を解説墓石の価格相場を、全国優良石材店の会の2025年調査(全国平均169.5万円)と墓石ナビの目安をもとに解説。価格が決まる5つの要素、見積書の見方、追加費用、比較のコツまでまとめました。
種類を選ぶ前に知っておきたい判断軸
具体的な種類の説明に入る前に、選択の際に軸となる3つの視点を押さえておくと、検討がスムーズになります。
1つ目は宗派・菩提寺との関係です。菩提寺がある場合、寺院の慣習や住職の意向によって、選べる形式に一定の傾向がある場合があります。
2つ目は霊園・墓地の規定です。霊園によっては、景観の統一を目的として、墓石の形式やサイズに規定を設けているところもあります。
3つ目は予算とデザインへのこだわりのバランスです。デザインの自由度が高くなるほど加工費が上がりやすく、予算内でどこまで実現できるかも、種類選びに影響する要素です。
これらの判断軸を念頭に置きながら、各形式の特徴を確認していきましょう。
和型墓石の特徴と選ばれる理由
和型墓石の構造
和型墓石は、下から「芝台」「中台」「上台」と石を積み重ねる、3段構造が基本です。最上段の上台には家名や題目が彫刻されることが多く、その下に位牌型の香炉や、水鉢、花立てなどが配置されます。
このどっしりとした縦長の構造は、古くから日本の墓地景観に根付いており、周囲の墓石との調和を意識する場合にも選ばれやすい形式です。
和型が選ばれやすいケース
和型墓石は、寺院墓地において主流の形式となっていることが多く、菩提寺がある場合は自然と和型を検討することになるケースが少なくありません。また、すでに親族の墓が和型で建てられている場合、統一感を持たせる目的で和型を選ぶ家庭も多く見られます。
家名を彫刻し、代々受け継いでいく「家の墓」としての性格を重視する場合にも、伝統的な形式である和型が選ばれる傾向にあります。
和型墓石のメリット・デメリット
メリットとしては、伝統的な形式であるため、寺院墓地を含む幅広い霊園で受け入れられやすいこと、また親族の墓と統一感を持たせやすいことが挙げられます。石材の使用量が比較的多いため、重厚感のある見た目に仕上がりやすいという点も特徴です。
デメリットとしては、石材の使用量が多い分、同グレードの石材であれば洋型に比べて費用が高くなりやすいこと、また構造上、地震などの際の耐震性について、施工方法によっては配慮が必要になる場合があることが挙げられます(近年は耐震施工に対応した和型墓石も増えています)。
洋型墓石の特徴と選ばれる理由
洋型墓石の構造と見た目の特徴
洋型墓石は、横長で背の低い石を基本とした構造で、和型に比べて重心が低く、安定感のある見た目が特徴です。上部の石(竿石)に「愛」「絆」といった言葉や、故人の好きだった言葉、あるいは家名を彫刻するケースが多く、和型に比べて彫刻内容の自由度がやや高い傾向にあります。
シンプルな直線的デザインが多いことから、周囲の芝生や植栽との組み合わせで、洋風の景観に馴染みやすいという特徴もあります。
洋型が選ばれやすいケース
洋型墓石は、公園型霊園やガーデニング霊園など、比較的新しいタイプの墓地でよく採用されています。こうした霊園では、景観の統一のために洋型を推奨、あるいは指定しているケースもあります。
また、宗教的な制約が少ない霊園を選んでいる場合、家名にとらわれず自由な言葉を彫刻したいという希望から、洋型を選ぶ家庭も増えています。
デザイン性を重視しつつも、極端に自由な形状までは求めないという場合に、洋型はバランスの取れた選択肢となります。
洋型墓石のメリット・デメリット
メリットとしては、重心が低く安定感があること、彫刻内容の自由度が和型よりやや高いこと、モダンな印象で新しい霊園の景観に馴染みやすいことが挙げられます。
石材の使用量が和型に比べて少なくなる傾向があるため、同グレードの石材であれば費用を抑えやすい場合もあります。
デメリットとしては、伝統的な寺院墓地では洋型が許可されていない、あるいは制限があるケースがあること、また親族の墓が和型の場合、統一感という点でやや浮いた印象になる可能性があることが挙げられます。
デザイン墓石(自由型)の特徴と選ばれる理由
デザイン墓石の具体例
デザイン墓石は、和型・洋型のような定型にとらわれず、故人の人柄や趣味、家族の想いを自由な形で表現する墓石です。
具体的には、故人が好きだった楽器やスポーツ用品をモチーフにした形状、ペットや動物をあしらった彫刻、故人が愛した山や海などの風景を石に描き込むデザインなど、表現の幅は多岐にわたります。
また、完全に自由な形状でなくても、洋型をベースにしながら、彫刻の一部にイラストやオリジナルの家紋を取り入れるなど、「型は踏襲しつつ部分的に自由度を持たせる」というアプローチも、デザイン墓石の一種として選ばれることがあります。
デザイン墓石が選ばれやすいケース
デザイン墓石は、故人らしさを強く表現したいという家族の想いが強い場合に選ばれる傾向があります。「その人がどんな人だったか」を、訪れる人に伝えたいという動機から検討されることが多いテーマです。
また、霊園の規定が比較的自由な墓地(デザインに関する制約が少ない公園型霊園など)を選んでいる場合、和型・洋型にとどまらない選択肢として検討されやすくなります。
デザイン墓石のメリット・デメリット・注意点
メリットとしては、故人や家族の個性を強く反映できること、世界に一つだけの墓石を作れることが挙げられます。
デメリット・注意点としては、いくつか押さえておきたい点があります。まず、自由度が高い分、加工の複雑さに応じて費用が上がりやすいこと。
次に、霊園によってはデザインに関する規定があり、希望通りの形状が認められない場合があること。そして、石材店ごとに対応できるデザインの幅や加工技術に差があるため、希望するデザインを実現できるかどうかは、店舗選びに大きく左右されるという点です。
デザイン墓石を検討する場合は、契約前に過去の施工事例を見せてもらい、希望に近いデザインの実績があるかどうかを確認しておくことが、仕上がりのイメージのズレを防ぐうえで重要です。
石材店そのものの選び方は、こちらの記事で解説しています。
墓石業者(石材店)の選び方|後悔しない7つの比較ポイントと見積もりのコツ墓石業者(石材店)の選び方を解説。複数社比較、見積書の内訳、施工実績、アフターサービスなど7つのポイントと、注意したい業者の特徴、契約前に聞いておきたい質問、墓石ナビの使い方までまとめました。
型が気になってきたら、実際の提案と価格を見てみませんか?
和型・洋型・デザイン墓石は、石材店によって提案も価格も変わります。見積もりを取っても、契約義務はありません。
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種類選びで失敗しないための確認ポイント
霊園・墓地の規定を事前に確認する重要性
墓石の種類を検討する際、最初に確認しておきたいのが、霊園・墓地側の規定です。景観の統一を目的として、墓石の高さや形式、使用できる石材の色などに規定を設けている霊園は少なくありません。
特にデザイン墓石を希望する場合、「どこまで自由な形状が許可されるか」は霊園によって差が大きいため、デザインを具体的に決める前に、霊園の管理事務所や石材店に規定の有無を確認しておくことをおすすめします。
また、霊園や寺院によっては、施工できる石材店があらかじめ指定されている「指定石材店制度」が設けられている場合があります。種類を決める前に、あわせて管理者へ確認しておきましょう。
宗派・菩提寺との関係で確認すべきこと
菩提寺がある場合、宗派の慣習や住職の考え方によって、選べる形式に一定の方向性がある場合があります。
特に、彫刻する言葉や図柄について、宗教的な観点から確認が必要になることもあるため、菩提寺がある場合は、デザインを決める前に一度相談しておくと、後々の変更を防ぎやすくなります。
継承者・将来の管理を踏まえた選び方
墓石の種類選びは、見た目の好みだけでなく、将来的な管理のしやすさも踏まえて検討することが望ましいです。継承者がいる場合は、家名を刻む和型・洋型のような形式が、将来にわたって分かりやすい選択となることがあります。
一方、継承者の有無が不透明な場合や、永代供養を前提としている場合は、墓石の形式そのものよりも、供養の形式(永代供養墓、樹木葬など)から検討を始める家庭も増えています。
こうした将来を見据えた検討は、家族間で意見が分かれやすいテーマでもあります。複数の石材店に相談しながら、それぞれの提案やアドバイスを聞くことで、自分たちの状況に合った選択肢を整理しやすくなります。
墓じまいや改葬を検討する場合は、費用や手続きの流れを、こちらの記事で解説しています。
墓じまいの費用相場|離檀料・撤去費用・改葬先別に解説墓じまいの費用相場を、墓石の撤去・離檀料・閉眼供養・改葬先(一般墓・永代供養墓・樹木葬・納骨堂)別に解説。改葬許可の手続きの流れ、親族・菩提寺への相談のタイミングまでまとめました。
【まとめ】自分たちに合った墓石の種類を見つけるには
種類ごとの特徴だけでは決めきれない理由
ここまで、和型・洋型・デザイン墓石それぞれの特徴と、選ぶ際に確認しておきたいポイントを解説してきました。
それぞれの形式にはメリット・デメリットがありますが、実際にどれが自分たちに合っているかは、家族の想いだけでなく、霊園の規定、菩提寺との関係、予算、将来の管理といった複数の条件を組み合わせて判断する必要があります。
そのため、「この形式が人気だから」「見た目が好みだから」という理由だけで決めてしまうと、後になって霊園の規定に合わなかった、想定より費用がかかった、といったミスマッチが生じることもあります。
墓石ナビで複数社に相談・見積もり比較してみる
種類ごとの一般的な特徴を踏まえたうえで、自分たちの条件(霊園、予算、希望するイメージ)に合った具体的な提案を受けたい場合は、複数の石材店にまとめて相談・見積もり依頼ができる「墓石ナビ」の利用が効率的です。
墓石ナビでは、審査を通過した登録石材店のうち、希望エリアの3〜5社程度から見積もりが届きます(公式案内)。それぞれの石材店が持つ施工実績やデザインの得意分野を比較しながら、希望に近い形を実現できる石材店を見つけやすくなります。
ただし、公式案内では、建墓・リフォームの予定や意思がない方、墓所が民営霊園の方は、利用をご遠慮いただくとされています。申し込みの手順は、こちらの記事で解説しています。
墓石ナビで無料見積もりを依頼する流れ|初心者でも失敗しない申し込み手順を徹底解説墓石ナビで無料見積もりを依頼する流れを、申し込みから契約・完成までSTEPごとに解説。準備しておく情報、見積もりが届く目安、利用できないケース、指定石材店の注意点もまとめました。
種類が決まっても、石材店によって提案も価格も変わります
和型・洋型・デザイン墓石、それぞれの特徴が分かっても、実際にどんな提案を受けられるか、いくらになるかは石材店ごとに異なります。特にデザイン墓石は、この記事でも触れた通り「石材店ごとに対応できるデザインの幅や加工技術に差がある」ため、複数社に相談してみることで、初めて見えてくる違いがあります。
| 比較する軸 | 自分で石材店を回る | 墓石ナビを使う |
|---|---|---|
| 比較できる石材店数 | 近所で見つけた1〜2店に絞られがち | 希望エリアの3〜5社程度をまとめて比較できる(公式案内) |
| デザイン提案の幅 | 1店舗の実績・得意分野しか見られない | 複数店の施工事例・提案を比較できる |
| 相場観 | 提示額が適正か判断する基準がない | 複数見積もりを並べて適正価格が分かる |
| 費用 | 無料の場合が多いが、店舗を回る時間がかかる | 無料(契約は必須ではない) |
- 希望するデザインの施工事例があるか確認する
- 霊園の規定に対応できるか、事前に確認する
- 種類だけでなく、費用の傾向も踏まえて検討する
- 1社だけで決めず、複数社の提案を比較する
石材そのものについてより詳しく知りたい場合はこちら。
墓石の石材選び完全ガイド|御影石の種類・産地・耐久性を徹底比較墓石の石材選びを解説。御影石が主流の理由、庵治石・大島石など国産と中国・インド産の特徴、吸水率と耐久性、価格と品質のバランス、石材店に聞きたい質問までまとめました。
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この記事について
執筆・構成:どっぽ編集部
最終更新日:2026年10月







